2022.06.24
新潟市保健所が書き込む陽性者の情報を医療調整本部のドクターがリアルタイムに確認。Zoomで保健所と会話もしながら迅速にトリアージを行う。
(画面上の情報はサンプルデータです)。
県庁の医療調整本部と主要な保健所にRICOH IWBを導入。
RICOH IWBとZoomを連携させることで、一つの会議室に集まり同じホワイトボードに書き込んでいるような環境を構築。
災害レベルの非常事態となった新型コロナウイルス感染症。新潟県でも対応に追われて業務が逼迫していく中、県庁と保健所の連携が課題に。このままでは医療体制を守り切れない——。この状況を打開するため投入されたのがRICOH IWBです。
県庁の医療調整本部と県内6カ所の保健所をRICOH IWBでつなぎ、最新情報を可視化して共有できる体制を構築。大画面に映るリアルタイムな情報を、その場にいる全員が同時に把握できるようになったことで、迅速なトリアージの実現はもちろん業務全体の効率が飛躍的に向上しています。
「RICOH IWBの無いコロナ対策は考えられない」「保健所の業務が大幅に改善された」など、県庁からも保健所からも高く評価いただいています。
新型コロナウイルス感染症の蔓延により全国各地で医療現場が逼迫していく中、新潟県は情報共有の体制強化にいち早く着手。県庁の医療調整本部と保健所が密に連携することで、コロナ医療と通常医療の両立を実現しています。
医療調整本部と保健所のリアルタイムな情報共有において、中心的な役割を担っているのがRICOH IWBです。新潟県新型コロナウイルス感染症対策本部の立ち上げから携わり陣頭指揮をとられている新潟大学医学部 災害医療教育センター 高橋昌先生に、RICOH IWB活用の背景を伺いました。
「新潟県では、誰もが必要な時に必要な医療を受けられるように市単位ではなく県全体、『オール新潟』で患者の受け入れ調整を行っています。
基本的な流れとしては、各保健所が管轄エリア内の陽性者情報を取りまとめ県庁の医療調整本部へ報告。本部に常駐するドクターがトリアージを行い入院・宿泊療養・自宅療養を判断し保健所へ戻します。ここで課題となるのが、医療調整本部と保健所の情報共有です。メールやFAXでやり取りをしていましたが、至急確認が必要なことも多く電話回線は常に混雑。チャットなどでもスピード感が足らず、特に陽性者の多い新潟市保健所との連携は早急に改善が必要でした。」
このままでは医療体制を守り切れない——。この状況を打開するために投入されたのがRICOH IWBでした。
「新潟大学医学部 災害医療教育センターでは、災害医療の質向上を目指して2019年にRICOH IWBを導入し*、訓練を通じて使い方や有用性は検証済みでした。とはいえ、感染爆発が差し迫る中、準備時間は限られています。どうすればいち早く運用を開始できるか、リコージャパンさんに連絡をしました。」
相談を受けたリコージャパンは、大至急1週間でモバイルVPNネットワークを整備し、県庁の医療調整本部と新潟市保健所にRICOH IWBを設置。さらに、RICOH IWBとZoomを連携させることで顔を見ながらコミュニケーションが取れる環境を構築しました。
第4波の真っ只中の2021年4月、県庁の医療調整本部と新潟市保健所間でRICOH IWBによる情報共有がスタートしました。RICOH IWBがどのように役立っているのか、高橋昌先生にお話しいただきました。
「新潟市保健所が次々と書き込んでいく陽性者の情報を、医療調整本部のドクターがリアルタイムに確認できるので、迅速にトリアージを行えるようになりました。陽性の判明から適切な医療につなぐまでのスピード感が飛躍的に向上しています。
常時Zoomがつながっているので、緊急時に呼びかけて複数人で話し合いができるのも、医療体制を守ることに大きく貢献していると思います。物理的には離れていても、一つの会議室に集まり同じホワイトボードに書き込んでいる感覚ですね。あれほど電話回線が混雑していたのに、今では患者受入調整について新潟市と電話でやり取りすることはほとんどありません。」
新潟市保健所の業務にはどのような変化があったでしょうか。高橋善樹所長に伺いました。
「RICOH IWBはリアルタイムに情報を『可視化』し、その場にいる『全員』と『大画面』で情報共有できるのが素晴らしいですね。内容はもちろん、急ぎの要件は赤、そうでないものは青と色分けして書き込むことで、緊急度まで可視化できるのです。電話をして、伝言ゲームのように関係者に連絡し、それから業務に着手するという余計な手間・時間が一切なくなりました。連絡待ちの業務が溜まることもなく、どんどん片付いていきます。」
2021年12月から始まった第6波では、感染が爆発的に増加。県内全域で陽性者が急増していく状況を受け、RICOH IWBの活用範囲を拡大。新潟市以外の主要な保健所にもRICOH IWBが導入されました。新潟大学医学部 災害医療教育センター 和泉邦彦先生にその背景を伺いました。
「新たに追加導入したRICOH IWBは、急増する自宅療養者の管理が目的です。第6波はコロナ株の変異により無症状~軽症者が増加。その結果、新潟市はもちろん全県で自宅療養者が急増していきました。自宅療養者は県庁の医療調整本部が規定の期日まで健康観察を行うのですが、期日を迎えたからといって一律に解除できるわけではありません。症状や基礎疾患などを踏まえ、医療調整本部と保健所が相談し解除の可否を決定します。この相談を全員分電話で行っていたのですが、新潟市保健所ひとつだけで延々30分はかかってしました。また県庁の全評価が終わるまで保健所業務が開始できないといったタイムラグもありました。RICOH IWBならば県庁と保健所が同時並行で業務を進めながら双方向で情報共有ができますので、電話の手間も、タイムラグも、丸ごとカットできました。」
新潟市保健所 高橋善樹所長は、RICOH IWBがなかったら感染爆発をどう乗り越えていたか、想像できないと振り返ります。
「爆発的に自宅療養者が増える状況で、県庁と30分も電話で話し、それから保健所の業務をスタートさせていたらとても対応しきれなかったでしょう。
RICOH IWB導入前の第4波は深夜業務が続いたのですが、職員数は変わっていないにも関わらず、導入後の第5波・6波では19時過ぎには業務を終えることができました。
実は、RICOH IWB導入が決まった当初、本当に現場で使いこなせるだろうかという不安もありました。ただ実際に導入してみると非常に操作が分かりやすく、和泉先生にもサポートいただいたおかげでスムーズに活用できました。今では現場に不可欠なツールとなっています。」
高橋昌先生からはサポート体制も高く評価いただいています。
「新潟県は入院待機者ゼロ、入院外療養中の死亡者ゼロを継続しています。これは様々な策を講じてきたからこそ実現しているものですが、RICOH IWBも間違いなく重要な役割を果たしています。RICOH IWB無しのコロナ対応は考えられません。そして、これほど有効的に活用できているのはリコーさんのサポート体制があってこそだと思っています。売って終わりではなく、運用方法も含めて支えてくれたのが非常にありがたかったです。」
高橋昌先生は、RICOH IWBは他の自治体でも有効活用できるとお話しを続けます。
「有事に迅速な情報共有が鍵となるのはどの自治体も同じです。新潟県がコロナ禍の医療体制を守るためどのようにRICOH IWBを活用しどんな効果を生んでいるか、リコーさんとともに全国の自治体に発信し、災害医療の質向上につなげていけたらと思っています。」
【参考Webページ】
お客様名称 |
新潟県庁 様 ![]() |
---|---|
概要 | 災害医療教育センターは災害医療体制の強化に向けた人材育成・研究。コロナ対策においては、新潟県新型コロナウイルス感染症対策本部の立ち上げ段階から参画。センターの職員が対策本部のコアメンバーとして新潟県のコロナ対応にあたっている。 |
URL | 新潟大学医学部 災害医療教育センター |
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